こんにちは。Cograsです。
全6回で、学習効果が出るまでの4つのステップを解説するこの連載。
今回の記事のテーマは「現状分析と目標設定」です。
記事を読み終わった頃には、「目標ってどう立てればいいの?」「こんな目標は達成できないよ」という悩みがなくなること間違いなし!
なぜ目標を設定するの?
まずは大前提、目標設定する意味から確認しましょう。
そんなのわかってるよという方。そう言わず、少し話にお付き合いください
結論は、「自分で軌道修正できるようになるから」です。
前回の記事で、こんな例を出しました。
数学の「一次方程式」の単元テストで、すでに100点をとれる子が居たとします。
1か月後の定期テストに向けて勉強する際に、「一次方程式」ばかり勉強していても、他の単元が苦手だったら、成績は上がりませんよね。
例えばここで、目標が「定期テストの一次方程式の単元だけは一問も間違えない」ことだったらどうでしょう。
この場合はこの計画、勉強法は正しいかもしれませんね。
一方で、皆さんこの目標や計画には違和感を覚えると思います。
それはきっと、本当の目標が「定期テストでいい点を取ること」だからかもしれません。
このように、明確に目標を意識せずに勉強を始めて、知らぬ間に本当の目標達成とは無関係のことをやっていることは、よくあったりします。好きな教科ばかりやってるとか。
勉強をしっかりやっている、やろうとしていることは、とても素晴らしいです。
だからこそ、やってよかったと思えるように、目標設定をしてみませんか?
目標設定の方法
では本題の、目標設定のやり方について考えていきましょう。
目標設定には「SMARTの法則」を使うことがおススメです。
英語でSmartは「賢い」などの意味ですが、ここでの「SMART」は、1981年ジョージ・T・ドラン氏が発表した理論が元になっています。
この5つの要素は、その後改良され「SMARTの法則」と呼ばれています。経営に取り入れている企業もあり、頭文字をアレンジして企業の経営目標やプロジェクトの目標設定に活用されています。
5つの要素は、現在の定義において以下のような要素が一般的に広く使用されています。
- Specific(具体的な)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Relevant(関連した)
- Time–bound(期限を設定された)
色々書いてありますが、要するに「曖昧で」「何となく」「だらだらと」目標を立ててはいけません、ということを表しています。
それでは、それぞれの要素を見ていきましょう。
目標設定の要素「SMART」
Specific(具体的な)
一つ目のポイントは、「目標は具体的に」です。
例えば、「成長する」「勉強をできるようにする」などは、具体的ではありませんよね。
では、どのような目標であれば「具体的」でしょうか。
以下に例を挙げてみます。
最終目標:6か月後に第一志望の高校を受験し合格する
→題集10回分解くため、毎週日曜日の朝9時から問題集を解く
→古典の単語を1日20個覚える
→英語の文法集を1日1単元分解いて理解する
→中学3年生範囲の数学の問題集を2周終わらせるため、毎日1単元分問題を解き理解する
上の例を見て気付いた方もいるかもしれませんが、最終目標を設定した後、それをさらに小さな目標に分解することで、どんな行動をすれば良いか、さらにわかりやすくなりますね。
Measurable(測定可能な)
二つ目は、「達成できたか判断できる目標にする」ことです。
なぜこれが重要かというと、目標と現状の差を測れるからです。
例えば受験であれば、合格に必要な偏差値や点数という指標があるため、模試を受験したり過去問を解いてみたりすることで把握できます。
そのため、志望校の偏差値を調べることで、現状の偏差値との差を把握し対策できます。
つまり、受験においては、模試や過去問を必ず解き自分の実力と向き合うことで、何をするべきかを明確にできます。
この時も、「なんとなくこの学校」という考えで挑むことは絶対にやめましょう。
Achievable(達成可能な)
これはイメージしやすいかもしれません。
例えば、「世界を平和にする」という目標。これはすばらしい目標ですが、どう達成するかまったくイメージできないものですね。
つまり、目標を設定したところで、「今の自分の行動」につながらない意味のない目標になってしまいます。
さて、ここで重要なのは、高い目標を立てても良い、ということです。
大事なのは、高い目標を立てたなら、今できる行動を設定できる小さい目標に分解することです。
先ほどの「志望校合格」を例に考えましょう。
「半年で偏差値を60まで上げる」という目標に対して、今は偏差値53だとしましょう。
この段階だと、何をすれば良いかはまだわかりませんね。
もう少し詳しく見てみると、数学と理科は偏差値が62で社会は偏差値60ですが、英語と国語の偏差値が46で足を引っ張っていました。
さらに、英語は英単語が苦手で文が読めず、国語は古典がとても足を引っ張っていたとしましょう。
ここまでくれば、何となくやることが見えてきましたね。
小さな目標として、以下のように設定しました。
①数学、理科、社会:現状維持できるように、毎日1時間で問題集の単元をひとつずつ復習していく。
②英語:英単語を毎日50個ずつ覚え、毎週土曜日に一週間の単語のテストをして、9割覚える。
③国語:古典の問題集を毎週1単元ずつ勉強し、週末の自主テストで9割取る。
行動がイメージしやすくなったと感じませんか?
当然もっとよい目標設定はできますので、皆さんの普段の勉強に当てはめてみましょう。
Relevant(関連した)
4つ目の要素は、自分の理想につながる目標にすることです。
誰でも、何のためにやっているかわからないことを続けるのは嫌ですよね。
最終的な自分の理想に関連した目標か、誰かに流されて設定した目標ではないか、現状に甘んじて仕方なしに設定した目標ではないか。
自分の本心に向き合い、理想に着実に近づける目標を設定しましょう。
Time–bound(期限を設定された)
5つ目の要素は、目標に期限を設定することです。
○月○日○時○分のように日時を設定します。
日時を設定することで、「必要な勉強の総量」と「設定した期日」から逆算して、単位時間あたりに勉強することを決めることができます。
1か月でこのくらい、1週間でここまで、1日でこれ、と全体量から必要な勉強量が割り出せます。
また、自分自身で設定した目標だと締め切りを意識せずだらだらとやってしまいがちですが、期日を設定することで締切り効果も期待でき、適度な危機感が生まれ勉強をはかどらせてくれます。
まとめ
さて、最後にここまでの話をまとめましょう。
いろいろ書いてあって難しいと感じた人も多いと思います。
重要なのは、最初からこれらをすべて、完璧にこなそうとしないことです。
例えば下記の表のように、ざっくりとノートに書き出して勉強に取り掛かってみましょう。
それだけでも何をすればよいか見通しが立ち、勉強がやりやすくなるはずです。
要素 | 目標 |
Specific(具体的な) | 英検の試験に |
Measurable(測定可能な) | 合格する |
Achievable(達成可能な) | 平日2時間、土日4時間勉強時間は確保できる |
Relevant(関連した) | 大学入試で活用でき、志望校合格に近づく |
Time–bound(期限を設定された) | 今年の7月の試験 |
今後の勉強の中で、頭の片隅に置きながら取り組んでみましょう。
Cograsの学習コンサルティングでは、一人ひとりの性格やモチベーション源にあった目標設定や、勉強計画の設計をサポートします。ぜひ受講もご検討ください!
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